食欲の秋真っ盛り。「おいしいものを食べたいな」と思ったら自宅でイタリアンに挑戦しませんか?
おなじみのイタリアンレストラン「オステリア ルッカ」オーナーシェフの桝谷周一郎さんに、スーパーで買える食材を使った、難しいテクニック不要のイタリアン3品を教えてもらいました。
どれもお店顔負けのおいしさと華やかさ。年末のパーティーシーズンを前に、覚えておいて損はありません!
「オステリア ルッカ♡東4丁目」オーナーシェフ
1973年生まれ。東京 神楽坂出身。16歳で料理家を志し、「日本青年館・東洋軒」「トリアノン」などで修行の後、1992年から約3年間、北京のイタリア料理店でシェフを務める。帰国後、1998年に代官山に「オステリア ルッカ」をオープン。現在は渋谷区東に店舗を移し腕を振るう日々。近著『笠原将弘vs桝谷周一郎 絶品家ごはん』(コスミック出版)他、著書多数。YouTubeチャンネルも好評配信中。
YouTube-桝谷のSimple is best
大人も子どもも大好き!おやつにもおつまみにも最高
じゃがいものカリカリ焼き
メインの食材がじゃがいもとチーズだけというシンプルさながら、外はカリカリ、中はふんわりとユニークな食感。
チーズとバターのコクにオーロラソースがよく合って、子どもがハマること必至です。
お酒との相性もいいので、パーティーやおもてなしのシーンでも役に立つこと間違いなしです。
<材料2名分>
じゃがいも 2個(フライパンの大きさに応じて調整)
※じゃがいもの種類は何でもOK
とろけるチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノなど)50g+粉チーズ 大さじ1
オリーブオイル 適量
バター 5g
【オーロラソース】
マヨネーズ 大さじ1
ケチャップ 大さじ1
①マヨネーズとケチャップを混ぜ合わせてオーロラソースをつくる。
②じゃがいもをせん切りにする。
③フライパンにオリーブオイル大さじ1程度をひき、じゃがいもの半量を敷き詰める。
④弱火にかけ、片面をじっくり焼く。
⑤じゃがいもに火が通り始めたら、とろけるチーズ50gをまんべんなくふりかけ、残りのじゃがいもをのせる。
⑥じゃがいもがまとまってフライパンを揺すってもほぐれなくなったら、ひっくり返す。
バターをちぎってじゃがいものまわりにおき、オリーブオイル小さじ1程度をまわしかける。粉チーズ大さじ1をふりかける。
⑧皿に移しオーロラソースを添える。
フライパン1つで作れるイタリア料理の定番
きのこと魚のロースト
桝谷シェフが「これぞイタリアの味」と太鼓判を押す魚料理です。
見た目の豪華さの割に、フライパン1つで素材を焼くだけと、作り方は簡単。
今回は鯛を使いましたが、スズキやサーモンでもおいしくできます。きのこも好きなものを使ってください。
ハーブ類はスーパーで売っている乾燥タイプでOKです。ただし、ケッパーはレモンと共に味を引き締める大切な素材なので、ぜひ省略しないで。
<材料2名分>
鯛 250g
しめじ 1/2株(100g)
ブラウンマッシュルーム 大4つ(150g)
にんにく 1/2片
ケッパー 小さじ1
タイム 2本
イタリアンパセリのみじん切り 小さじ1
オリーブオイル 適量
レモン 1/2個
塩 適量
①魚に塩を振って10分ほど置く。キッチンペーパーで水気を拭き取る。
②にんにくは包丁で潰す。きのこは食べやすい大きさに切る。
③レモンは半分に切り、実に包丁の刃先で2~3本切れ目を入れておく。
④フライパンにオリーブオイルを適量ひいて中火で熱する。にんにくを入れる。魚の皮を下にして入れる。タイムを入れる。
⑤きのこも加えて、全体に軽く塩を振り、オリーブオイル大さじ1程度をまわしかける。
⑥タイムを魚に当てて、香りを移しながら中火のまま焼く。タイムの葉が落ちたら、そのまま一緒に焼く。
⑦魚の中心まで火が通り、皮がパリパリになったらひっくり返す。皮面7、身の面3の割合で火を通すように。
⑧きのこもひっくり返しながら焦げ色がつくように焼く。ケッパーを加えて混ぜる。
⑨魚が焼けたら全体にイタリアンパセリをふりかけ、火を止める。
⑩皿にきのこを敷き、魚をのせ、オリーブオイルをたっぷり回しかける。レモンを添える。
魚はできるだけひっくり返さずに、弱火~中火でていねいに焼くと皮がパリッと仕上がります。
食べるときは小皿にとりわけレモンを絞ります。レモンに切れ目が入っていると、絞ったときに汁が飛び散りません。
テーブルの主役はこれで決まり!
ローストチキン
思わず「おいしい!」が飛び出る、ジューシーで香り高いごちそうチキンです。
鶏肉はパサパサして苦手という人も、これなら文句つけようなし!「ジューシーに焼き上げるコツは、弱火でじっくり火を通すこととできるだけ鶏肉に触らないこと」と桝谷シェフ。
ぜひコツをつかんで、自慢料理に加えてください。
<材料2名分>
鶏モモ肉 1枚
ローズマリー(生 なければ乾燥で代用可)2本分
にんにく 1と1/2片
鷹の爪 1本
オリーブオイル 適量
塩・コショウ 適量
パセリのみじん切り(なければ省略可)適量
レモン 1/2個
①鶏肉は皮を取らずに筋を切り、余分な脂肪を取り除く。厚みのある部分を包丁でひらいて均等な厚さにする。
②にんにくは薄くスライスする。ローズマリー1本分をみじん切りにする。
③①の皮と肉の間に、②のにんにくの半量と切ったローズマリーを広げて入れる。肉の両面から塩とコショウを振る。
④残りのにんにくと、ローズマリー、2つに折った鷹の爪、オリーブオイル大さじ2を小さめのフライパンに入れる。まだ火はつけないでおく。
⑤④とは別のフライパンにオリーブオイル(サラダオイルで代用可)小さじ1程度をひいて、肉の皮面を下にして置き、中火で焼く。
⑥皮に焼き色がついたらひっくり返す。弱火にして、ときどきフライパンを少し傾け油分を皮にまわしかけながら、7~8分じっくり焼く。
⑦焼いている間に、レモンの実に包丁の刃先で2~3本切れ目を入れておく。
⑧④のフライパンを弱火にかけ、ソースを作る。フライパンを傾け、ローズマリーをオリーブオイルに浸しながら火を通す。2~3分程でにんにくが少し色づいたら、塩を少量加える。パセリを加え蓋をして火を止め、余熱で香りを引き出す。
⑨チキンが焼けたら皿に移し、⑧をかけてレモンを添える。
ハーブやケッパーを使うとなると、ハードルが高く感じられるかもしれませんが、実はスーパーで少量ずつ手ごろな価格で売っています。
「今回使ったハーブやケッパーは、肉料理にも魚料理にも合いますよ」と桝谷シェフ。
この機会に、いろいろ揃えてみてはいかがでしょうか。ワンランク上の味わいになること請け合いです。

